企業にとって、従業員の住環境を整えることは重要です。とくに、出張が多い業種では、住まいの柔軟さが求められます。家具や家電が完備され、短期間から契約可能なマンスリーマンションを利用すると、企業と従業員双方にメリットが生まれます。この記事では、マンスリーマンションを社宅として活用するメリットや注意点について解説します。
マンスリーマンションを社宅に利用するメリットとは
企業にとって、従業員が快適に生活できる環境を用意することは、重要な福利厚生です。とくに、出張が多い企業では、従業員の宿泊先を確保する作業が大変な場合も少なくありません。マンスリーマンションを社宅として利用することには、多くのメリットがあります。
賃料の無駄がない
マンスリーマンションは、必要になったときにはじめて契約するため、退職や異動で急に使わなくなった場合でも無駄な賃料を支払う必要がありません。短期間契約ができるため、柔軟な対応が可能です。
家具が揃っている
多くのマンスリーマンションは家具や家電が備え付けられており、従業員が引っ越しの際に家電や家具を準備する手間がありません。一般的に、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、ベッドなどが揃っているため、到着後すぐに生活を開始できます。
節税できる
マンスリーマンションを社宅として利用する際、従業員が賃貸料の50%以上を負担すれば、企業は節税できます。
従業員にもメリットがある?
マンスリーマンションを社宅として利用することは、企業だけでなく従業員にも多くのメリットをもたらします。
手間や費用の軽減
引っ越しの手間が大幅に軽減される点がメリットです。マンスリーマンションは家具や家電が用意されているため、自分で購入する必要がありません。従業員は最低限の荷物だけで引っ越しでき、生活をすぐに始められます。
また、引っ越しの費用を最小限に抑えられる点も大きな利点です。一般的な住宅に引っ越す場合、荷物の量に応じて引っ越し費用が高くなりますが、家具や家電がすでに揃っているため、持ち込む荷物が少なく、安く引っ越しできます。
以上のように、引っ越し費用を抑え、関連する作業の手間も減らせることは、いそがしい方には大きなメリットといえるでしょう。
節約できる
マンスリーマンションは、水道・光熱費、インターネット代が家賃に含まれていることが多く、これにより従業員は毎月の支出を抑えられます。また、各種サービスの契約や解約の手続きも不要で、引っ越し後すぐに普段通りの生活がスタートできるのも魅力です。
社宅としてマンスリーマンションを利用する際の注意点
企業や従業員にとってさまざまなメリットがあるマンスリーマンションですが、社宅として利用する際にはいくつかの注意点も存在します。これらを理解しておくことで、トラブルなく利用できるでしょう。
同条件で探すことは困難
マンスリーマンションを社宅として利用する場合、同じ条件の物件を複数探すのが難しいのがデメリットです。物件間で格差が生じないように準備しなければなりません。しかし、多くの従業員に同じ条件の部屋を用意するのは困難であり、地域によっては物件が見つからない場合もあります。
業務が煩雑になる
マンスリーマンションを利用する場合、部屋ごとの手続きや支払いが必要となり、業務負担が増える傾向があります。
とくに、従業員の数が多く、複数のマンスリーマンションを利用する場合は、入退去の管理や書類作成、支払い処理などが煩雑になりがちです。業務負担を軽減するためには、専任の担当者を配置するか、業務を効率化する必要があります。
早期予約できない
多くのマンスリーマンションでは、通常は1か月先までしか予約できません。このため、新入社員の入社に合わせた準備や、急な出張への対応が難しくなります。計画的に社宅を確保するためには、スピード感のある対応が求められます。
柔軟な対応が期待できない
マンスリーマンションは、計画の変更に柔軟に対応できないことがよくあります。プロジェクトの変更や社員の退職などで急に必要なくなった場合でも、前払いの賃貸料は返金されないのが一般的です。
しかし、業者によっては、長期プランであれば未利用期間分を返金する場合もあるため、契約前に返金対応のルールを確認しておくことが重要です。
サポートに差がある
入居者サポート・外国人サポートの充実度は施設によって異なり、場合によっては不足しているケースもあります。
たとえば、海外スタッフ用にマンスリーマンションを用意する場合などでは、日本語以外の言語でのサポートが受けられないことも考慮しなければなりません。家電や家具の使い方、注意事項などについて、企業側からサポートできる体制を整えておきましょう。
まとめ
マンスリーマンションを社宅とすると、企業と従業員の双方に多くのメリットをもたらします。柔軟な契約期間や家具・家電が備わっていることにより、手間を省けるのは大きな魅力です。また、従業員の生活費や引っ越しの手間を大幅に軽減できる点もメリットです。一方で、同じ条件の物件を複数確保するむずかしさや、予約の取りにくさ、手続きの煩雑さなどデメリットもあるため、対処できるようにしておきましょう。マンスリーマンションを社宅にする際には、これらのポイントをしっかりと押さえておくとよいでしょう。